動機づけ面接(Motivational Interviewing:MI)(2015.1.1更新)

アルコール依存/薬物依存/二コチン依存/強迫的行為/反抗的な態度/議論の場..

 教育して知識を授ければ行動が変わる人もいます。こだわりが強くない人にはそれで十分です。今まさに知識に飢えていて行動を変えたいのに変える方法を持っていないと思っているような人に対してじらす必要はありませんし,小学生でも自分でうまくいった経験は必ず持っています。そのうまくいったやり方を思い出してもらった方が,よりうまくいく可能性があります。勇気や善意や動機といったものを引き出してもらった方が行動変容の準備が整うと言えます。クライエントの中に眠っている動機を深い井戸の中から汲み上げるお手伝いができる技術がMIです。どんな動機・ゴールなのかをじっくりと吟味していく過程がカウンセリングです。

 その中で,カウンセラー側はクライエントとの間にある不協和音や関係性の破綻を感じとったなら,【】関わりを大切にするようにクライエントの理解に努め,【】クライエントの福祉向上のための目標行動を絞りこみ,【】それに向けての行動変容のサイン(チェンジトーク)を引き出し,【】行動計画を立てていくという手順をMIでは推奨しています。これはMIの4つのプロセスと言われ,下記の図のように経過とともに積み重ねていくイメージです。このプロセスを実行するための技術が,船のオールたちという意味のOARSO:開かれた質問,A:是認,R:聞き返し,S:サマライズ)です。オールでチェンジトークの魚たちをかき集め,岩礁(維持トーク)の裏に隠れたチェンジトークも探しながら船を進めていきます。その時,カウンセラーに求められる態度が「協働的・受容的・共感(慈愛)的・喚起的であれ」というMIスピリットです。「何かしたいのにできない」のような両価性のあるクライエントに対して,価値ある人生の方向へ「向かいたい」を強め,「できない」を弱める介入技法として,またクライエントの自己決定を促す介入技法として有効です。

 しかし,動機づけ面接を学ぶと,即,薬物依存患者を治せるわけではありません。禁煙指導ができるわけでもありません。日常的に,上記のような人々と接している人が学ぶと,自分がイライラしなくなったなあと感じると思います。相手の怒りや不満や悲しみに共感を示すことが上手くなります。支援者と被支援者の間に関係性という橋がつながっていくような感じでしょう。この橋を構築していく過程を丁寧に技術として伝えているのが動機づけ面接というカウンセリング技術です。W. MillerらはMIが技法というほど確立されたものではないという意味を込め,現在進行形のInterviewingとしているのだそうです。

 ただ所詮カウンセリング技術の一つです。自分がどうしなければならないかを気づかせてもらったからといって,すぐに行動に移せる人ばかりではありません。どの行動から変えて行くかや行動に移しやすい計画など行動変容の成功へのカギとなる治療の方法論は,動機づけ面接にはありません。それはまた別に学ぶ必要があります。行動分析とセットで学ばれると強力な道具となるカウンセリング技法になると思われます。

 他に特徴をあげるとすれば,技法を習得するためのエクササイズが豊富に存在しMIのトレーナー達は日夜新しいエクササイズを考えています。余談ですが,MIは共感性に乏しいと言われるある種の発達障害の子どもたちに社会で生きていくためのコミュニケーション技術として,「共感したことを伝える言葉」を教えていく訓練技法にもなり得ます。【2017.7.21】

 デザイン:Miyo OKAJIMA イラスト制作:松浪宜秀 

 英会話を本を読むだけでは習得が難しいように,コミュニケーションの技法はやはり人と相対して練習する必要があります。現在では全国各地で勉強会や研修会が開かれており,その情報はMINFのホームページに最新情報が掲載されています。日本で活動しているメンバーの名前も知ることができます。

 しかし,地方にお住まいでなかなかそばに勉強相手がいないという場合,エコロジーヘルスラボが主催する通信教育の動機づけ面接技能講座があり,初めての方でも自分のペースで学ぶことができます。これは教科書だけの通信教育ではなく,講師とのスカイプによるフィードバックがついた新しい形の通信教育です。また,ゆるーい思春期ネットワークでは,初中級者向けにケースフィードバックプログラムを設けております。これはロールプレイなどの逐語録を元にメールで動機づけ面接の技術を磨くものです。ファシリテータとコーチがつきます。一つの逐語を丁寧に分析しコーディングすることができます。

 日本動機づけ面接協会では2014年より資格認定の試験も行っており,2級・1級・トレーナー資格を設けております。詳しくは認定資格のページをご覧ください。

 トレーナーたちは,個別にスーパーバイズも行っております。日本動機づけ面接協会にお問い合わせください。バイザーは各々料金が異なります。私の個人スーパーバイズは,録音を聞かせていただきフィードバックをするもので,1ケース単回で5,000円,ケース数問わず半年間で25,000円です。ちなみに原井宏明先生のSV料金は半年間で100,000円となっています。この料金には,録音を送ってそれに伴うスカイプによるフィードバック付きが月に4回以内とお得感があります。能力の差が金額の差となって現れています(ということにしておきます)。

​◆Motivational Interviewing for Family Training:MIFT(動機づけ面接を用いた家族のコミュニケーショントレーニング)として,MINFフォーラム(2017年1月9日)で紹介したプログラム内容のファイルはこちらです。WSの中で使用した課題達成リストのexcelファイルとその使い方を学会のシンポジウムで発表した抄録も一緒にダウンロードできるようにしました。

◆お役立ちツールとして,「ラベル屋9」で作ったカードのデータをダウンロードできるようにしました。解説がないと使いづらいかもしれませんが,よろしければお使いください。

 MIカード1のダウンロード>ここ

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